得意な写真はなんですか?
今日はラジオK-MIXさんに電話出演しました。それにしても久々の緊張感。
写真展「きこり 美しき天竜の森で働く若人」を開催したことへの思いは伝えられたのではないかと思います。
「マスタートーク」というコーナーなので冒頭「あなたは何マスターですか?」という問い掛けがあるのですが、それに対して「天竜の森のきこり写真マスターです」と答えました。しかし実はマスターと名乗るのは正直烏滸がましいのです。若き林業従事者、森林、自然の美しい光景は撮れたけれども、森のことは取材を通して知り始めたばかり。それに先日「天竜の杉、檜の特徴はなんですか?」というシンプルな質問に詰まってしまう出来事があったばかり。本質であり当然知っておくべきことです。すぐにお世話になっている方に問い合わせて天竜の森林の歴史、木の特性・評価の観点で説明を受けたのですが、まだまだ天竜の森については知らないことがたくさんあります。ライフワークとする以上知識を深めるのはもちろんのことですが、さらに森に通い、もっと入っていかなくてはならないと思うのです。
ところでラジオ出演の最後に「得意な写真はなんですか?」という質問がありました。得意な写真は何だろう!?と咄嗟に答えが出ず、おかしな受け答えをしてしまったように思います。電話出演が終わった後もそれが頭の中を駆け巡る……仕事なら被写体は人、モノ、景色、いずれもクライアントの要求にきちんと応えるのは言うまでもありませんがさらにプラスαして喜んでいただきたいといつも考えています。作品なら、テーマに沿って撮るときはそれが得意なものとなり(今回ならきこり・森・自然)、テーマは関係なく瞬間的に撮りたいものが現れることもあるし(人や花や景色や空や食べ物や何の変哲のないものでも撮る瞬間は好きになり得意になっている、というよりそう思わないと気持ちが入らない)、それまで苦手と思っていたものがある日突然好きになり得意になってしまうこともある。もっと言ってしまえばその日の気分で好きなものは違ってくるし、得意な日もあれば苦手な日もある。……そんな意味を求めての質問ではなかったと思うですが、こうして考えさせてくれる良い質問だったように思います。これから同じ質問をされたらこう答えることにします。
「(撮影するものが何であれ)美しく撮ることです。」
関連記事